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日産のエスピノーサ新社長が語る「ブランド復活プラン」とは? 大型SUV「パトロール」やインフィニティも!? 気になる未来の新型車とは【Behind the Product #27】

エスピノーサさんは情熱的で日産愛が深く濃い人

 もちろん日産のビジネスは、日本だけではなく世界が相手です。現在はトランプ関税の影響、為替の問題などもあり、グローバルビジネスの先読みはとても難しい状況。自動車メーカーにとってこれまで経験したことのない、創意工夫が求められる局面とえます。

市場投入へ向けてカウントダウンに入った新型「リーフ」
市場投入へ向けてカウントダウンに入った新型「リーフ」

「例えば、メキシコからアメリカへの関税が従来のままだったら、メキシコの生産能力を活用し、他の仕向地にクルマを輸出することを考えなければなりません。為替変動のリスク回避にもつながりますし、そうした車両の融通にはいろいろなメリットがありますから。日産は工場も開発センターも販売事業も、幅広く世界をカバーしています。これらを賢く使っていかなければなりません」

 すでにRe:Nissanにおいては、主要市場を明確化したり、中国で生産した車両を中東などに輸出するといったマトリックスが示されたりしています。こうした取り組みは今後、もっと進められていいはず。もちろん日本においても例外ではなく……。

「今の課題の一例が、ノートというモデルがほぼ日本国内でしか売られていないこと。そうすると、競争力を見出すのはなかなか難しくなります。今の為替であれば、日本から輸出できると為替リスクの回避にもなりますし、生産台数も拡大できます。そうしたことも考えてはいます」

 一方で日産は、現在、世界に17箇所ある車両生産工場を10箇所に統合すると発表しています。「決算発表の際に申し上げたばかりですが、ステップ・バイ・ステップで慎重に進めていかなければなりません。非常に厳しい、痛みを伴う仕事でありますが、誰かがやるしかない。私がそれをやるのは、会社を愛しているからです。会社の存続のために、そうするしかないのです。今、詳しく申し上げられることはありませんが、適切な情報を適切なタイミングで出していきます」

 これもやはり、経営に関する情報をまずは出していかなければならない、というエスピノーサさんの信念からの発表だったと見るべきでしょう。日産は大丈夫だとアピールするためには、もろもろ調整し、決まってからの発表では遅過ぎる、というわけですね。

「その上で、10月に開催される『ジャパンモビリティショー2025』では、日産というブランドをどういった方向へと発展させていくのかという話をするつもりです。注目度の高いイベントですし、そういう話をするにはいいタイミングだと思いますので」

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 これまでの道のりは決して順風満帆ではなかったフォーミュラEでの日産ですが、前シーズン後半から調子を上げ、今シーズンは他を寄せつけない活躍を演じています。

 日本ラウンドの週末も、オリバー・ローランド選手が2戦を2位と優勝で飾り、ドライバーズ、チームランキングともに選手権でのリードをさらに広げることに。当然、詰め掛けた観衆は皆、今の日産の状況をよく知っていますから、その大活躍に拍手喝采となったのでした。

 巷では、日産に対する愛情などない“ガイジン”社長がやってきて……といった想像で書かれた記事も散見されますが、エスピノーサさんは私の厳しい質問にも嫌な顔ひとつせず答えてくれました。非常に情熱的で、そして日産愛が深く濃い、日産のトップにこれまでいなかったタイプの人物だというのが実感です。

 まだまだ問題は山積みで、再生へのスタートラインにようやく立ったばかりの状況ですが、うまい舵取りで日産を上昇気流に乗せてくれることを期待します。

Gallery 【画像】「えっ!…」エスピノーサ新社長がブランド復権に挑む! これが日本投入が期待される日産のニューカーです(25枚)
「カチッ」と日常をオフに。至福の時を刻む、マインドフルネス

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