HEVとPHEVのみの設定となる新型「RAV4」

　日本では、2025年度中に発売されるとされている新型「RAV4」ですが、今回のフルモデルチェンジではふたつ、従来モデルから大きく変わったポイントがあります。

　ひとつ目は、パワーユニットのバリエーション。現行モデルは、ガソリンエンジン、HEV（ハイブリッド）、PHEV（プラグインハイブリッド）の3つが用意されていましたが、新型ではガソリンエンジンがなくなり、HEVとPHEVという2種類のラインナップとなります。

　そのうちPHEVには、新開発のシステムが採用されています。大容量の駆動用バッテリーや高出力充電器への対応などPHEVらしいポイントに加えて、トヨタ車としては初の搭載となる第6世代システムの採用が見逃せません。そう、PHEVの核となるハイブリッドシステムそのものが進化しているのです。

　もうひとつの大きく進化ポイントは、こちらもトヨタ初採用となるソフトウェアプラットホーム“Arene（アリーン）”の採用です。新型「RAV4」への採用を皮切りに、トヨタはSDV（Software Defined Vehicle）、つまり、ソフトウェアによって機能や性能が定義される車両の開発を本格化していくとのこと。

　実際、新型「RAV4」を購入したユーザーは、ソフトウェアのアップデートによってより進んだ運転支援システムや、進化していく音声認証などを使えるようになるといった恩恵を受けられるとのことです。購入から時間が経過しても、愛車に対して古さを感じさせない利便性と先進性を享受できるのです。

　新型「RAV4」は、多彩なユーザーニーズに応えられる3つのスタイルが設定されているのも特徴です。

　新型「RAV4」のスタンダードというべき「コア（CORE）」は、洗練されたデザインが魅力的。“SUVハンマーヘッド”でタフさを表現したフロントマスク、先進感と強さを表現したバンパー一体型グリルが特徴です。

　ラギッド感＝武骨さを強調した「アドベンチャー（ADVENTURE）」は、SUVらしい力強さを表現。ワイドトレッドと専用のホイールアーチモール、シンプルな造形ながら縦に大きいフロントグリルなどが印象的です。

「GRスポーツ（GR SPORT）」はその名のとおり、TOYOTA GAZOO Racingがモータースポーツ活動で得た知見を活かし、機能美を追求したデザインと、足回りのチューニングやボディ剛性の強化を実施した仕様です。

　見た目だけでなく走りのチューニングも施されており、市街地からワインディングまで安心して操れる上に、走る楽しさを味わえるスポーティなモデルです。

「ジャパンモビリティショー2025」の会場にもこの3モデルが展示されていたのですが、実車を見てみると「仕様ごとのキャラクターが明確になった」と感じました。

　それぞれのテイストがはっきりと分かれていて、自身が選びたいモデルに迷いが生まれない……そんなクルマとなっています。

　ちなみに、日本仕様の装備内容や価格など詳細はまだ公表されていませんが、現行モデル以上に、見た目の好みや雰囲気などでストレートにモデル選びをする人が増えることでしょう。