コンパクトでも広さは“ゴルフ級”! 2026年後半発売予定のフォルクスワーゲンの新モデル「ID.ポロ」の印象とは? “らしさ”満点の質実剛健な走りに期待大
「ゴルフIV」を想起させる「ID.ポロ」のルックス
2025年9月にドイツ・ミュンヘンで開催された「IAA Mobility 2025」で初お披露目されたフォルクスワーゲンの最新BEV(電気自動車)である「ID.ポロ」は、2026年後半の発売が予定されています。そんな「ID.ポロ」にこのタイミングで試乗できるという話をいただき、師走の忙しい時期に急遽予定を組んでスペインはバルセロナまで行ってきました。
とはいっても、車両はまだ最終スペックではなく、内外装ともまだカモフラージュが施された状態。それでも舞台はテストコース内ではなく、一般公道を走行するという非常にレアな試乗となりました。
要するに、世界のごく限られたジャーナリストに試してもらって印象を聞き、最後のつくり込みに活かそうというのが、この試乗会の主目的だったわけですが、そんな機会はめったにありません。短時間、それも助手席にお目つけ役ありの試乗でしたが、期待のニューカマーの実力をしっかり確かめてきました。
「ID.ポロ」は電動化を推し進めるフォルクスワーゲンにとって、戦略を新たなフェイズへと推し進めるモデルといえます。象徴的なのが、まずはその車名。今までの「ID.」プラス「数字」に代わって、これ以降は同じ「ID.」に慣れ親しんだ車名を組み合わせたものが使われることになります。実際、この「ID.ポロ」も、コンセプトカーでは「ID.2 all」と呼ばれていたのでした。
そしてパッケージング。これまでの「ID.」シリーズと大きく異なるのは、「ID.ポロ」がフロントに電気モーターを搭載した前輪駆動車だということです。ハーネス類を減らして軽量化、コストダウンにつながり、荷室も大きくできるというのが、そのメリット。もちろん、フォルクスワーゲンのユーザーにとって馴染み深い駆動方式だということも、大きなポイントに違いありません。

プラットフォームは“MEB+”。これまで使われてきた“MEB”の進化型で、高効率化や新しいユニファイドセルバッテリーへの対応が目玉となります。フロントに積まれる、これも新開発の電気モーター“APP290”は見るからにコンパクト。電気モーターは「ID.ポロ」では116ps、135ps、211psと3つの出力レベルがそろい、これに容量37kWhのLFP、52kWhのNMPという2種類のバッテリーが組み合わされます。
イマドキのトレンドからするとバッテリー容量が心許なく思われるかもしれませんが、代わりに充電スピードは速く、37kWh仕様は90kWの受電能力を持ち10〜80%充電を27分で完了。52kWh仕様はやはり80%まで23分で充電できると謳われています。しかも、車重はざっと1.5トンと、BEVとしては軽量に仕上げられているのです。
デザインにも新しい言語が用いられています。ズバリ「ピュア・ポジティブ」と題されたそれはブランドの基本精神に立ち返ったもので、口角の上がった親しみやすいフロントマスク、力強いリアピラーなどを特徴としています。カモフラージュが施された試乗車でも、それはなんとなく伝わりますよね? ちなみに、どうやら開発陣やデザイナーの意識には「ゴルフIV」の姿があったようで……と聞くと、なるほどと思われる方も少なくないはずです。
インテリアは水平基調とされ、ダッシュボードの擬装の下には10インチと13インチのふたつのディスプレイが並んでいました。このディスプレイには面白い仕がけがあったりもするのですが、それはまだお話できないのがザンネン。また、エアコンなど多くが物理スイッチに回帰していて、しかもそれぞれ触れたときの感触にこだわった形状とされ、広い範囲がファブリック張りとされるなど、つくり込みは徹底しています。
外装に「IAA Mobility 2025」のときと同様のカラフルなカモフラージュが施された試乗車は、211ps、52kWhとなる最上級の「Style」。ドアを開け、主要な操作部分以外は覆い隠された室内に入ると、まずは短いフロントオーバーハングのおかげでクルマがとても小さく、扱いやすく感じられます。
実際のボディサイズは全長4053mm、全幅1816mm、全高1530mm。現行「ポロ」より短く、幅広く、背は高くなっています。
ところが後方を見渡すと、逆に室内はとても広々として見えます。ホイールベースが2600mmと長いこともあり、後席も余裕は十分。身長196cmの開発メンバーも「ほら、私でもちゃんと乗れるんだ」と誇らしげでした。外寸は小さいけれど、室内は「ゴルフ」級というわけですね。
荷室は容量435リットルと、ひとクラス、いやふたクラス上の広さ。実は高さを2段に調整できるフロアの下にもさらに荷室が広がっていて、相当かさ張るものも飲み込むことが可能。まさに後輪駆動ではできなかったパッケージングです。もちろん後席の背もたれは可倒式で、最大容量は1243リットルに達します。
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