ホンダはいかにして軽EVをホットハッチに仕立てたのか? 新型「スーパーワン」は擬似エンジン音と仮想7段変速で“ファン”な走りを実現
“軽”を超えるボディの張り出しと楽しい走りの予感
ホンダの新しいコンパクトBEV(電気自動車)「スーパーワン(Super-ONE)」は、「N-ONE e:」をベースに走りの楽しさやホットハッチらしいデザインを身にまとい、“ファン”な雰囲気を加速させたモデルです。発売前からSNSでも話題となっていたモデルですが、公道で試乗してみての印象をお伝えしましょう。
「N-ONE e:」をベースに開発された「スーパーワン」は、“e:Dash BOOSTER”というコンセプトを掲げ、操る喜びを五感で体感できるBEVを目指して誕生しました。
「N-ONE e:」がベース、と表現しましたが、ハードウェアとして変更されているのは主にシャシー関係です。
専用セッティングとなったサスペンションや強化されたリアアクスル&ハブ剛性などが主な変更ポイントですが、なかでも最も分かりやすい変更点はワイドなスタンスとなっていることです。
サスペンションは50mmトレッドが拡大され、185/55R15とサイズアップしたタイヤと専用デザインの15インチホイール、それらを収めるべく張り出したフェンダーなどを採用。これによりスリーサイズは、全長3580mm、全幅1575mm、全高1615mmと「N-ONE e:」に比べて全長が185mm、全幅が100mm、全高70mm大きくなっています。
「スーパーワン」のルックスは、張り出したフェンダーによってロー&ワイドな印象が強まっており、いかにも「走りに期待して!」とアピールしてくるかのようです。

しかしパワートレインのメカ自体は、ベースとなった「N-ONE e:」から大きく変わってはいません。そのため「見た目だけのモデルでは?」と感じている人もいるかもしれませんが、「N-ONE e:」のバッテリーとモーターはそのままに、ソフトウェア制御で出力を高めているというのが「スーパーワン」のパワートレインなのです。
新設された「BOOST」モードでの最高出力は、「N-ONE e:」の47kW(約64ps)から70kW(約95ps)へ“解放”されます。「プレリュード」で初採用された“ホンダ S+シフト”のような仮想7段変速を味わえるのもポイント。
このように、パワートレインの変更点はソフトウェアのみながら、しっかりと「N-ONE e:」とは異なるキャラクターが与えられているのです。
また室内空間も、こだわりの変更が加えられています。インパネまわりのデザインは「N-ONE e:」とほぼ同じですが、「スーパーワン」には専用のシートが与えられています。サイドボルスターの内部を硬質パッドにして形状を変更し、ホールド性を高めた設計となっています。その違いは、座った瞬間からはっきり分かるほどです。
ただし、ステアリングにテレスコピック機構がついていないのは「N-ONE e:」と同じ。走りに期待する人にとって、残念に感じる人もいるかもしれません。そのため、理想のドライビングポジションをキッチリ取るのは難しいものの、“Aセグメント”のコンパクトカーとしてはまずまずのドラポジをとることはできます。

ちなみに「スーパーワン」は1グレードのみの設定。インテリアを見ると、BOSEのサウンドシステムが装備されるなど、「N-ONE e:」に比べてスポーティなだけでなくプレミアムな要素がプラスされているのも分かります。
システムを起動すると、3連メーターが映し出されます。「SPORT」モード、「BOOST」モード時は、中央が仮想のタコメーターとなる3連メーターのデザインですが、せっかく自由にデザインできる液晶メーターなので、他のデザインも見たかったな、と筆者(西川昇吾)は思いました。この辺りは今後の改良で手が加えられることに期待したいところです。
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