「えっ、エンジンかかってるの!?」日産 新型「キックス」はなぜ静かになった? 圧倒的な静粛性の秘密は日本初導入の第3世代“e-POWER”だった
日本初の第3世代“e-POWER”が生み出す圧倒的な静粛性
クルマの快適さというと、走行時の乗り心地やシートの座り心地を思い浮かべる人が多いかもしれません。でも、長く乗るほどに効いてくるのが“静粛性”です。
車内が静かだと、同乗者と会話がしやすく、音楽がよく聞こえます。そして何より、長距離を走ったときの疲労感が少ない。静粛性というのは、日々のドライブの“質”を左右する重要な要素なのです。
その点で驚かされたのが、日産の新しいコンパクトSUV「キックス」でした。試乗していて気づいたのは、耳に伝わってくる音が静かなこと。その秘密は、日産が日本市場に初採用した第3世代“e-POWER”でした。
本題に入る前に、新型「キックス」がどんなクルマなのか、改めて整理しておきましょう。
「キックス」は日産のSUVラインナップのエントリーモデルに位置するコンパクトSUVです。今回のフルモデルチェンジは、その車名と“Bセグメント”であること、そして、日本向けはハイブリッド専用車となることを除けば、先代モデルからの共通点はほぼないほど全面的に刷新されました。
クルマの骨格であるプラットフォームは、先代の“Vプラットフォーム”から最新の“CFM-B”と呼ばれるタイプにシフト。基本設計の多くは現行型「ノート」と共用されているといっていいでしょう。その分、先代モデル比で車体はひとまわり以上大きくなり、インテリアの質感も大幅に向上しています。
そんな新型「キックス」で走り出してみて、まず感じたのは、乗り心地のよさでした。先代に比べると劇的によくなっていて、正当な進化を遂げたと実感します。

そして、もうひとつの大きな進化が、冒頭で触れた静粛性です。
そもそも“e-POWER”は、エンジンを発電機として使い、駆動力はその電気を使って回したモーターだけで生み出す、日産独自のハイブリッドシステムです。モーター駆動ならではのなめらかな走りとレスポンスのよさが持ち味で、快適性にもドライバビリティにも優れた方式だと、新型に乗って改めて実感しました。
新型「キックス」で日本初導入となった第3世代“e-POWER”は、発電に特化したエンジンに、モーター、インバーター、減速機、増速機、そして発電機を一体化した“5-in-1”と呼ばれる電動ユニットを組み込んだのがポイントです。
では新型は、なぜ静かになったのか? その理由は大きくふたつあります。ひとつは「エンジンがかかりにくい」こと。もうひとつは「かかっても静か」なことです。
まず「エンジンがかかりにくい」ことについて。元々“e-POWER”は、他ブランドのハイブリッドに比べてエンジンがかかりにくい傾向にあります。そこへ、効率アップなどの効果が加わったことで、市街地走行時のエンジン始動回数は、なんと先代の4分の1ほどにまで減ったのだとか。エンジンがあまりかからないのだから、静かなのは当然です。
「でも、エンジンがかかったら、うるさいんでしょ?」と、思う人もいるかもしれません。ところが、決してそうではないのです。新型「キックス」はエンジンがかかったことに気づかないくらい静か。これがふたつ目の理由です。
エンジン自体の効率改善により、発電時のエンジン回転領域は従来より400回転ほど低くなりました。回転数が下がったということは、騒音もダウンするということ。加えて、“5-in-1”ユニットは剛性が高く、細かい振動を減らせたことも静粛性につながっています。
さらに、以前から盛り込まれている小ワザも見逃せません。新型「キックス」は路面の状況を検知していて、タイヤノイズが大きくなるザラザラとした舗装では、積極的にエンジンを動かして充電するのです。「木を隠すなら森に」ではないですが、タイヤノイズという目立ちやすい音にエンジンの音を隠すように、こっそり充電する。なんとも気の利いた制御です。
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フルモデルチェンジで上質さを増した新型「キックス」。そうした印象を決定づけているのが、この静粛性です。
エンジンをなるべくかけない。かかっても気づかせない……第3世代“e-POWER”の緻密な進化が、新型「キックス」が静かになった秘密なのです。
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