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なぜ「GTI」は50年間も愛され続けるのか? “アウトバーンを民主化”したフォルクスワーゲン「ゴルフGTI」の真価を読み解く3つのキーワード

アウトバーンを民主化した初代「ゴルフGTI」

 フォルクスワーゲンのスポーティハッチバック「ゴルフGTI」。その初代のデビューは、ドイツの自動車史における大きな出来事となりました。

 それまで速度無制限区間もあるドイツの高速道路・アウトバーンの追い越し車線は、ポルシェやメルセデス・ベンツといった高額で高出力なモデルだけが走れる、いわば“聖域”。そこへ、庶民のクルマ「ゴルフ」の高性能バージョンとして登場した初代「ゴルフGTI」が、追い越し車線を大衆車に開放したのです。1976年のことでした。

 アウトバーンを走ったことがない人はピンとこないかもしれませんが、背景にあるのは、日本の高速道路とは比べものにならないほど明確な“車線ごとの速さ”です。最も左側のレーンである追い越し車線は、当然ながら速いクルマが優先。「安全のためにゆっくり走ってもいい」という発想は毛頭なく、流れに乗れなければ後ろから猛スピードで迫る高性能車に蹴散らされる——そんな弱肉強食の世界なのです。

 初代「ゴルフGTI」が登場するまで、この追い越し車線を大衆車が走ることは許されませんでした。正確にいうと、“非力なクルマ”ではスピードが出ず、速い流れに乗れなかったのです。

 ところが、高性能な心臓部を手に入れた初代「ゴルフGTI」は、走れる速度域が一気にアップ。ポルシェやメルセデス・ベンツに混じって追い越し車線を走ってみせたのでした。これが“アウトバーンの民主化”と語り継がれる有名なエピソードです。

フォルクスワーゲン「ゴルフGTI」
フォルクスワーゲン「ゴルフGTI」

 初代「ゴルフGTI」は、当初、わずか5000台の限定生産となる予定でした。しかし、人気はフォルクスワーゲンの予想をはるかに超え、最終的な生産台数は46万1690台に。1万3850ドイツマルク(当時のレートで約160万円)で手に入る小さな高性能車は、当時のドイツで多くの人々が待ち望んでいた1台だったのです。

 今年2026年は、そんな初代「ゴルフGTI」のデビューから50周年という記念すべき年に当たります。初代以降も2代目、3代目……と、「GTI」は「ゴルフ」の定番グレードとして全世代に用意されてきました。もちろん最新世代にも。高性能コンパクトカーで最も成功した1台といっても過言ではないでしょう。

Next半世紀もの間、愛され続ける3つの理由
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