なぜマツダは新型「CX-5」のハイブリッドを自社開発するのか? “人馬一体”を守るために“トヨタ技術の流用”を選ばなかった理由
新型「CX-5」はマツダの電動化を象徴するモデルになる!?
それを裏づけるように、マツダは海外メディアに対し、トランスミッションへ直接つながるダイレクト方式を採用すると説明しています。具体的なトランスミッション形式は明らかにされていませんが、一般的なハイブリッドとは異なる加速感を目指していることが読み取れます。
もちろんこの決断は、トヨタのハイブリッド技術を否定するものではありません。燃費性能や信頼性、量産実績を重視するなら、トヨタのシステムを活用することは合理的です。「CX-50」は既存技術を使うことで、短期間でハイブリッド需要に対応。マツダ独自の味つけを加えるという協業の利点を生かしています。
一方で「CX-5」は、2025年末時点で世界累計500万台以上のセールスを記録し、2018年以降はマツダの最量販車種となっている同社の中核モデルです。そこで初採用する次世代システムは、1車種の燃費を改善するだけでなく、その後のマツダ車を支える技術基盤にもなるわけです。
外部技術を使う領域と、自社で手がけるべき中核技術とを分ける……独自ハイブリッドの開発は、開発リソースの限られたマツダが、ブランドの独自性を維持するために選んだ戦略だと考えられます。
新型「CX-5」は、“人馬一体”と日常の快適性を両立することを重視しています。日本の道路環境に合わせてダンパーの減衰特性をつくり込み、路面からの突き上げを抑えながら、ステアリングを通じて必要な情報をドライバーへ伝えるよう制御を見直しています。
つまり、2027年の独自ハイブリッドを待たずとも、新型「CX-5」の車体や足まわりには、すでに次世代の“人馬一体”を受け止める土台が用意されているのです。

そこに“スカイアクティブZ”を核とする独自ハイブリッドが加われば、燃費や排ガス性能だけでなく、アクセル操作に対する反応や加速のつながりまで、マツダ自身が設計できるようになります。
電動化が進むほど、エンジンやモーターの単体性能だけではメーカーごとの違いが見えにくくなります。そこで重要になるのが、複数の動力源をどのようにつなぎ、ドライバーへどのような感覚として伝えるのか、という制御の領域です。
マツダが新型「CX-5」のハイブリッドを自社開発する理由は、単に燃費競争へ対応するためではありません。電動化によって独自性を手放すのではなく、電動化した後も“人馬一体”を守れるよう、エンジン、モーター、トランスミッション、制御技術を自分たちで理解し、磨き続けるためなのです。
その最初の象徴となるのが、新型「CX-5」に2027年中の搭載が予定されている独自ハイブリッドといえるでしょう。
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