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なぜ日産は「スカイライン」を残す決断を下したのか? 車種削減の中でもブランドを牽引する“ハートビートモデル”に選ばれた理由

1957年から受け継がれてきた「スカイライン」の役割とは?

 今回、明確化された「スカイライン」が担う象徴的な役割は、決して今回の新戦略のために後づけされたものではありません。その原点は、1957年に登場した初代モデルにまでさかのぼることができます。

 1957年に登場した初代「プリンス スカイライン」は、当時の国産車としては高性能なプレミアムセダンでした。最高速度は125km/hに達し、リアには先進的なド・ディオン式サスペンションを採用するなど、技術面でも際立った存在でした。

 以降の歴代モデルにも、「スカイライン」の根底にある思想は一貫して継承。ツーリングカーレースを始めとするモータースポーツへの果敢な挑戦、「GT-R」に象徴される圧倒的な走行パフォーマンス、4輪操舵技術“HICAS”に代表される最先端のシャシー制御技術、そして、高性能エンジンとFRレイアウトを軸としたハンドリングの追求など、「スカイライン」は長年、その時代の日産の走りと先進技術を象徴するモデルのひとつであり続けてきました。

 つまり「スカイライン」は、約70年にわたって高性能な走りと先進技術を体現する“ショーケース”として機能してきたのです。

 日産は2025年に打ち出した「Re:Nissan」以降、ブランドの鼓動を具現するモデルをハートビートモデルと位置づけています。しかし、そこで定義された情緒的価値や革新性という役割は、実は「スカイライン」が1957年の誕生以来、果たし続けてきた役割そのものでもあるのです。今回の長期ビジョンでは、「スカイライン」が担ってきたその役割をハートビートモデルという枠組みの中で改めて明確にしたといえるでしょう。

●次期型「スカイライン」に日産が求めるものとは?

 現時点で、パワートレインの詳細や駆動方式、スペック、具体的な発売時期などは公式に明かされていない次期型「スカイライン」ですが、2026年春に公開されたティザー映像では、伝統の丸型テールランプを想起させるデザインエレメントが披露され、ファンの期待を大いに高めたことは記憶に新しいところ。

日産の次期型「スカイライン」
日産の次期型「スカイライン」

 しかし、併せて発表された新しい商品戦略では、そうしたスペックの予想以上に、日産自身が次期型「スカイライン」に対し、ドライバー中心、高性能、意のままの走りという明確なキャラクターを公式に定義している点が興味深いところです。

 日産は日本市場において、象徴的なモデルと独自の先進技術にリソースを集中させ、ブランド価値を一段と高めていく方針を示しています。その中核を担うモデルとして次期型「スカイライン」が予告されたことは、日産が電動化や知能化の時代においても“走りの日産”というアイデンティティを手放さないという決意表明にほかなりません。

 次期型「スカイライン」は、単に歴史ある車名を維持するためにつくられるモデルではなく、最新のテクノロジーを採用しながらドライバーが操る楽しさを現代の技術で再定義する役割を担うわけです。

* * *

 日産が商品ラインナップを56車種から45車種へと絞り込む中で、次期型「スカイライン」を残す決断を下した理由は、「スカイライン」が過去の栄光に守られた例外的な存在だからではありません。

 車種を減らすということは、ラインナップに残す1台1台に、これまで以上に明確で研ぎ澄まされた存在理由が求められることを意味します。売れるクルマだけに画一化するのではなく、ブランドの個性を際立たせるために何を残すべきか? を突き詰めた結果、次期型「スカイライン」は日産らしさの核心を担う“ハートビートモデル”に選ばれたのです。

 1957年の誕生以来、「スカイライン」が受け継いできた“高性能な走りと先進技術を通じて、クルマづくりへの情熱を伝える”という役割。選択と集中が進むこれからの時代だからこそ、かつてないほど大きな存在意義を持つモデルとなりそうです。

Gallery 【画像】超カッコいい! 今後も日産を牽引する次期型「スカイライン」を写真で見る(30枚以上)
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