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魅力はスライドドアだけじゃない! なぜBYDは“日本専用”の軽EVをイチから開発した? 新型車「ラッコ」は日本の軽自動車並みに使えるのか

日本車にない装備も! 走りと安全性にも息づくBYD流の工夫

 加えて、日本車にはない装備が充実しているのも「ラッコ」の興味深いところです。

 最上級グレードの「300プレミアム」には、足元にガイドを投影し、そこへ足を置くだけでスライドドアを開けられるハンズフリー機能を装備する一方、スマホをキーとして使えるデジタルキーは「300プラス」と「300プレミアム」に採用。一方、テレスコピック機構を含む4ウェイ調整式ステアリングは全グレードに採用されています。

 また「300プラス」と「300プレミアム」には、車内の子どもやペットを検知し、ドア施錠時に人がいると判断すると警告音とライトで周囲に警告、さらに、それでも解決しないときは子どもやペットを守るためにエアコンを自動作動させる後席置き去り検知機能も搭載。装備に関しては、軽自動車というよりも「車体が小さいだけで装備は充実しているクルマ」をつくっている感覚なのでしょう。

 残念なのは、隣の車線を走るクルマを検知し、ドライバーに知らせて事故を防ぐ先進安全機能“ブラインド・スポット・モニター”が用意されていないことくらいです。

 では、「ラッコ」の走りは日本の環境にマッチしているのでしょうか? 結論からいえば、とても好相性なモデルだといえます。

 まずモーターは、軽のBEVはすべて同じような傾向ですが、ガソリンターボエンジンと比べても特に低速域での動力性能に優れるので、発進加速がスムーズで力強いのです。

 一方、高速道路など速度域が上がるシーンでは加速が鈍くなりますが、それは「ラッコ」固有のネガというより、出力が限られる軽BEVに共通する傾向です。

BYD「ラッコ」
BYD「ラッコ」

 ただ少し気になったのは、リアシートの乗り心地が粗く感じられることでしょうか。これは、背が高くて車両重量が重いため、サスペンションを硬めのセッティングにしなければいけないことのデメリットといえるかもしれません。

 一方、BEV化によって軽スーパーハイトワゴンのネガを上手く解消している点にも注目です。エンジンを搭載する日本の軽スーパーハイトワゴンに対し、「ラッコ」はコーナーが安定していてハンドリングがいいのです。

 フロア下に重いバッテリーを搭載することによる低重心化が旋回性能に効いている上、車両前部にエンジンがないことによる前後重量配分の良化が素直なハンドリングにつながっています。ハンドリングはエンジンを積むどの軽スーパーハイトワゴンより優れていると断言できます。

BYD「ラッコ」
BYD「ラッコ」

 ちなみに、軽自動車ということで安全性を気にする人も多いでしょうが、BEV専用設計の「ラッコ」は各種制御ユニットをバッテリーパックへ統合することで車両前部のスペースを効率化。衝突時に衝撃を吸収するスペースを大きく確保するなど、衝突安全性能にもプラス要素が多いのも事実。

 加えて、日本の軽自動車では採用例が限られるプリテンショナーつき後席シートベルトを採用。乗員の体が前方に移動するのを抑えて衝撃をやわらげるなど、安全性も重要視していることをお伝えしておきましょう。

* * *

 このように、「ラッコ」は単に日本の軽規格に合わせただけのBEVではありません。使い勝手から装備、走り、安全性まで、日本の軽自動車を徹底的に研究していることが分かります。「日本専用設計という売り文句は伊達じゃないな」、それが、実際に「ラッコ」に触れた筆者が抱いた率直な印象です。

Gallery 【画像】超カッコいい! 日本市場向けに専用開発されたBYD「ラッコ」を写真で見る(30枚以上)
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