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なぜ“売れ筋”のスーパーハイトワゴンにしなかった? スズキの新しい電動軽自動車「eスカイ」が目指したのは初代「アルト」のEV版!?

シンプルな軽BEVなのに、走りは“アルト以上”?

 では、実際に走らせるとどうなのでしょう? 今回は量産前のプロトタイプを、サーキットで試すことができました。

 まず驚いたのは、モーター駆動のBEVらしい低速域からの力強さです。自然吸気エンジンを搭載する一般的な軽自動車とは明らかに異なり、アクセルペダルを踏み込んだ瞬間からスムーズかつ力強く速度を上げていきます。

 低中速域に限れば、かつての「アルトワークス」のようなターボ車と比べても、加速の立ち上がりに力強さを感じました。

 さらに印象的だったのが、速度を上げていったときの安定感です。軽自動車にありがちな、車体が軽いために動きが落ち着かない感覚が薄く、コーナリング中も姿勢が安定しています。

 一般に、BEVは重量物となるバッテリーを車体下部へ搭載できるため、低重心化を図りやすいという利点があります。その特性も、こうした落ち着いた走りにつながっているのでしょう。

 もちろん今回試したのはプロトタイプであり、市販モデルの最終的な乗り味がそのまま同じになるとは限りません。ただし、少なくとも今回の試乗では、「価格を抑えたシンプルな軽BEVを目指しているからといって、走りも必要最低限」という印象ではありませんでした。

 ということで、冒頭の疑問に戻りましょう。なぜスズキは、同社初の軽乗用BEVを売れ筋のスーパーハイトワゴンにしなかったのでしょうか?

 それは、BEVならではの装備や広大なキャビンを欲張るのではなく、今、軽自動車を“リーズナブルで身近な生活のアシ”として使っている人が、そのまま自然に乗り換えられるBEVをつくろうとしたからです。

スズキ新型「eスカイ」(プロトタイプ)
スズキ新型「eスカイ」(プロトタイプ)

 すべてを盛り込まず、必要なものを見極め、軽く、小さく、手の届きやすいクルマを目指す。この考え方は、47年前に初代「アルト」が提示した“必要十分なクルマ”のつくり方にもどこか重なります。

「eスカイ」は、単に“スズキ初の軽BEV”を目指したモデルではなく、BEV時代に改めて「スズキらしい軽自動車とは何か」を問い直した1台なのかもしれません。

Gallery 【画像】なぜスーパーハイトワゴンじゃない? “BEV版アルト”を思わせるスズキ新型軽BEVを写真で見る(30枚以上)
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