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三菱新型「パジェロ」は人気車種“ランクル250”の刺客になれるか? 全長はわずか5mm差&ディーゼルはともに204馬力! 2台の本格SUVは何が違う?

同じラダーフレーム採用のSUVでも4WDの“使い方”が違う

 新型「パジェロ」と「ランドクルーザー250」の違いが明確に現れるのが、悪路を走るためのメカニズム。2台とも本格クロスカントリーSUVらしく、プラットフォームにはラダーフレームを採用しています。

“ランクル250”は「300」シリーズと同じGA-Fプラットフォームを採用。従来の「プラド」に対してフレーム剛性を50%、車両全体の剛性を30%向上させています。

 フロントにはダブルウィッシュボーン式、リアにはトレーリングリンク車軸式サスペンションを採用。フロントスタビライザーを切り離せる“SDM(Stabilizer with Disconnection Mechanism)”の採用により、オフロードでの路面追従性とオンロードでの操縦安定性を両立しています。

 一方の新型「パジェロ」も、高張力鋼板の採用拡大やフレーム断面積の拡大によって剛性を高めたラダーフレームを採用。

 フロントにはダブルウィッシュボーン式、リアには新開発の5リンク式リジッドサスペンションを組み合わせ、前後重量配分も52:48に最適化しています。

 そんな2台ですが、4WDシステムの考え方にもそれぞれの考え方が息づいています。

“ランクル250”は、トルセンLSDつきセンターデフを備えたフルタイム4WDで、通常は前40:後60のトルク配分を基本としながら、路面状況に応じて前後配分を制御します。

 悪路走破性を高める“マルチテレインセレクト”には6つの走行モードを用意し、電動リアデフロックなどを組み合わせることで高い悪路走破性を追求しています。

 対する「パジェロ」は、歴代モデルから受け継ぐ“SS4-II(スーパーセレクト4WD-II)”を搭載。2H(後輪駆動)、4H(フルタイム4WD)、4HLc(センターデフロック)、4LLc(ローギヤ+センターデフロック)の4モードをドライバーが任意に選択できます。

三菱新型「パジェロ」
三菱新型「パジェロ」

 さらに新型では、“SS4-II”にAYC(アクティブヨーコントロール)やASTC(アクティブスタビリティ&トラクションコントロール)、ABSなどを統合制御する“S-AWC(Super-All Wheel Control)”を組み合わせ、「NORMAL」、「ECO」、「GRAVEL」、「SNOW」、「MUD」、「SAND」、「ROCK」という7つのドライブモードが設定されています。

 ワールドプレミアの席上で三菱自動車が強調したのは、こうした高度な機能は「誰もが使いこなせてこそ真価を発揮する」という考え方でした。

“S-AWC”によって前後左右の駆動力や4輪の制動力を最適化し、ドライバー自身が細かな制御を意識しなくても、自然で安定した走りを実現することをねらっています。

“ランクル250”が常時4輪を駆動するフルタイム4WDを軸に悪路走破性を高めているのに対し、新型「パジェロ」は2Hから4LLcまでを使い分けられる“SS4-II”に、“AYC”などを統合した“S-AWC”を組み合わせているのが特徴。どちらも電子制御を活用しながら、その4WDシステムの構成やドライバーへの委ね方には違いが見られます。

●“ランクル250”は生活を支え、「パジェロ」は悪路でも快適

 さらにこの2台には、スペック以上に“何を目標に開発したか”という違いがあります。

“ランクル250”が掲げるのは、「ランドクルーザー」本来の、“生活と実用を支える”という使命への原点回帰です。

 トヨタは「ランドクルーザー」を“どこへでも行き、生きて帰って来られるクルマ”と表現。信頼性、耐久性、悪路走破性をブランドの根幹に置いています。

 一方、新型「パジェロ」が継承したのは、悪路走破性・信頼性を意味する「Confidence」と、快適性・扱いやすさを意味する「Comfort」。その上で新型は、フラッグシップにふさわしい「Prestige=上質さ」を加えています。

 そんな新型「パジェロ」において、三菱自動車が特にこだわったのが悪路快適性。単に悪路を走り切るだけでなく、荒れた路面でも不快な振動や揺れ、作動音を抑え、乗員が安心して快適に移動できることを独自の開発指標として設定したといいます。

三菱新型「パジェロ」
三菱新型「パジェロ」

 つまり新型「パジェロ」は、どんな道でも、誰もが扱いやすく、しかも快適に走れることを重視。ワールドプレミアの席上で語られた「目的地へ向かう道のりも大切な時間」というフレーズには、そうした考え方がよく表れています。

* * *

 全長差わずか5mm。ディーゼル仕様なら最高出力はともに204psで、8速AT、ラダーフレーム、3列シート7人乗りと共通点が多い新型「パジェロ」と「ランドクルーザー250」。そこだけを踏まえれば、2台は真正面から競合する存在に見えます。

 しかし、詳しく見ていくと、“ランクル250”は生活を支えるための信頼性・耐久性・悪路走破性を軸とし、新型「パジェロ」はそこに“S-AWC”による扱いやすさや悪路快適性、さらにフラッグシップとしての上質さを強く打ち出しています。

 似たようなサイズ、似たような性能だからこそ、違いを生み出すのはそれぞれのブランドが考える“本格SUVらしさ”なのかもしれません。

Gallery 【画像】全長差はわずか5mm! 三菱新型「パジェロ」とトヨタ「ランドクルーザー250」を写真で見る(30枚以上)
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