なぜ「センチュリー」は“1台の最高級車”からトヨタのハイエンドブランドへと進化するのか? 「One of One」が示す次の100年とは
セダン、SUV、クーペ……「センチュリー」を“着こなす”時代へ
その考え方を象徴するのが、それぞれ異なる役割を担う3つの「センチュリー」です。
まずは伝統的なセダン。縦置きエンジン+FRレイアウトや二重構造のフロントグリルを受け継ぎ、フォーマルな場で求められる凛とした品格や威厳を極めた存在です。いわば“タキシード”のような「センチュリー」といえるでしょう。これまで特別な存在だった「GRMN」も注文可能となり、セダン側にも新たな選択肢が広がっています。
一方、SUVを思わせる新時代のショーファーカーは“ビジネススーツ”に相当します。エンジン横置きのパワートレインを生かした広大な後席空間、3.5リッターV6エンジンを核とするPHEV(プラグインハイブリッド)、座面を前方へスライドさせずに背もたれを53度まで倒せる後席シート、横揺れを抑える「リアコンフォート」モードなどを採用。より幅広い移動シーンに対応できる、機能性と品格を両立した「センチュリー」です。
そして、もうひとつ示されたのがクーペです。フレームレスのフロントグリルや上下2段のLEDヘッドライト、ロングノーズ・ショートデッキの独特なプロポーションを採用。助手席側には、フロント側がスライドし、リア側がスイングして開く変則的な観音開きドアを採用。さらに、リアウインドウを持たない大胆な造形も特徴です。
室内には西陣織を用いたシートや、織物をモチーフとした運転席側のパーティションを配置。助手席には超ロングスライド機構とフルリクライニング機能を持たせ、パーソナルな華やかさと究極のくつろぎを同居させています。
従来のフォーマルなショーファーカー像とは異なり、よりパーソナルで華やかな移動も楽しむ“パーティドレス”のような存在です。
現時点で、クーペはコンセプトモデルであり、市販時期などは明らかにされていません。ただし開発チームは、パワートレインを含めた多様な展開を模索しており、この姿がそのまま市販車になるかどうかも含めて、今後の広がりが注目されます。
「センチュリー」が従来の1車種だけではなく、用途や価値観に応じて異なる姿を持つブランドへと広がろうとしていることは、この3台からも見えてきます。

そうした動きを象徴するもうひとつの存在が、2026年6月11日に東京・青山へオープンした「センチュリースタジオギャラリー」です。単なる販売拠点ではなく、「センチュリー」というブランドの世界観を発信する場所として、新たな役割を担います。
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「生まれ変わることでしか、歴史は紡げない」「日本にしかつくれないものが、きっとある」。かつては誰も手を入れようとしなかった“聖域”に踏み込み、クルマだけでなく、そのつくり方やブランドのあり方まで問い直す……「センチュリー」が“One of One”へ向かうということは、単にラインナップを増やすことではありません。クルマという枠を超え、日本のモノづくりの魂と誇りを世界へ示していく、ひとつの強い“決意表明”でもあるのでしょう。
長く守ってきたものを残すために、あえて変わる。そうして「センチュリー」は、“1台の最高級車”から次の100年を見据えたハイエンドブランドへと歩み始めました。次の100年の未来に向かい、「センチュリー」は今日も、その誇り高き生き様と挑戦の歴史を刻み続けているのです。
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