進化した“スポーツセダンの雄”「WRX S4」の実力とは? そして気になる「スバル最強モデルの未来」
ZF社と共同開発した電子制御ダンパー
WRX S4でもうひとつ評価できる点は、洗練された乗り心地や上質な仕立てのインテリアなどにより、大人が乗るにふさわしいスポーツセダンに仕上がっていること。ヨーロッパのプレミアムセダンに匹敵する満足感を味わえるのだ。

なかでも乗り心地に関していえば、「STIスポーツR」グレードの快適性が際立つ。同グレードにはドイツ・ZF社と共同開発した電子制御ダンパーが組み込まれており、足の硬さをスイッチ操作で切り替えられる。
ハードな足回りを選択すれば、サーキットでもガンガン走れるほどのポテンシャルを示し、一方、乗り心地重視のソフトモードにすれば、同乗者からクレームが来ないことを約束できるほど快適だ。つまり、マルチパーパス性という観点からいえば、STIスポーツRの完成度は特筆すべきレベルにある。
●サーキットも苦にしない新開発のCVT
そんな新型WRX S4のトランスミッションはCVTのみ。そのため「CVTのスポーツカーなんて」と懐疑的な評価をする人も多いだろう。とはいえ、その点においては「心配は無用」と自信を持っていえる。
搭載されるCVTは、新型WRX S4(とレヴォーグの2.4リッター仕様)のデビューに合わせて新設計された“スバルパフォーマンストランスミッション”で、CVTのウィークポイントとされる“すべり感”を、ほぼ感じられないレベルにまで抑えている。実際、サーキットをドライブしてみたが、イマイチとか物足りないなんて気持ちには一切ならなかった。むしろ「十分楽しい。これ以上なにが必要?」と思わせる、ダイレクトなドライブフィールは驚異的だ。

とはいえ、せっかくのスポーツセダンなのだから「MTが欲しい」という気持ちは痛いほどよくわかる。これまで日本市場向けは「快適性を兼備したS4はCVT、速さを追求するSTIはMT」と、WRXシリーズはトランスミッションのすみわけができていた。しかし今後、日本でWRX STIが発売されないとなると、スバルのスポーツセダンからMTの火が消えてしまうことになる。
そこで注目したいのは、(現在のところ)日本仕様にはないけれど、北米仕様には存在するWRX S4の6MTモデルだ。もし今後、WRX STIがデビューしないのであれば、スバルには北米向けに展開しているS4のMTモデルを発売してもらいたい。それはMTファンのためだけでなく、スバルファンのためにもなるはずだ。
WRXシリーズがスバル車最高峰のスポーツセダンであるというのなら、ドライバーがみずからクラッチを切り、シフトチェンジしてクルマとの対話を楽しめるMT仕様を選べるようにしてほしい。もちろん、動力性能や走行フィールは現状のCVTでも文句はないが、オーナーの所有欲を満たす“記号性”という部分において、もうひと声欲しいというのが本音である。
●Subaru WRX S4 STI Sport R EX
スバル WRX S4 STIスポーツR EX
・車両価格(消費税込):499万4000円
・全長:4670mm
・全幅:1825mm
・全高:1465mm
・ホイールベース:2675mm
・車両重量:1600kg
・エンジン形式:水平対向4気筒DOHC+ターボ
・排気量:2387cc
・駆動方式:4WD
・最高出力:275ps/5600rpm
・最大トルク:375Nm/2000〜4800rpm
・燃料消費率(WLTC):10.8km/L
・サスペンション:(前)ストラット式、(後)ダブルウィッシュボーン式
・ブレーキ:(前)ベンチレーテッド・ディスク、(後)ベンチレーテッド・ディスク
・タイヤ:(前)245/40R18、(後)245/40R18
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