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なぜ後輪駆動は運転が楽しい? BMW新型「2シリーズクーペ」がFFではなくFRにこだわった理由とは?

ハンドリング性能も期待以上の仕上がり

 新型2シリーズクーペには、2リッターの4気筒エンジンと3リッターの6気筒エンジンが用意されています。「B58B30B」と呼ばれる最新の3リッター6気筒ターボチャージャーエンジンを搭載するのが「M240i xDriveクーペ」です。最高出力387馬力/5800rpm、最大トルク500Nm/1800-5000rpmを発揮します。

 前軸910kg、後軸800kgで車両重量は1710kgで、6気筒エンジンと剛性の高いボディ構造により、サイズの割にはやや重めです。

BMW新型「M240i xDrive Coupe」の走り
BMW新型「M240i xDrive Coupe」の走り

 それでも500Nmのトルクはこの車重をものともせずに素早い加速をします。それは後輪への駆動力が強過ぎて滑り出しそうになる前に、前輪にも駆動力を分配して4WDで加速していくからです。この加速は電子制御のMスポーツ・ディファレンシャルによりロスがなくなっている効果もあるかもしれません。

 後輪駆動のままのほうが何かと楽しいかなとは思っても、このトルクを使い切ったときでもクルマが安定したまま加速していくのを体験するとxDriveでも良いかなと思ってしまいます。

 ハンドリング性能も期待以上の仕上がりでした。サーキットは走っていませんが、ワインディングロードでは水を得た魚のように、スイスイと気持ちよく走れました。ドライバーはマシンと一体になってブレーキング、コーナリング、加速をコントロールできるからです。

 ブレーキ系統はしっかりしていて踏み始めのレスポンスはよく、踏み増したとき、戻したときの追従も良いのでコントロールしやすいのです。Mスポーツブレーキ(オプション:8万9000円)はキャリパーもしっかりしているので、高い踏力でもペダル剛性が高く頼もしかったです。

 ハンドルはステアリングシャフトの支持剛性が高そうな感触で、操舵したときの力が他に逃げずにダイレクトに伝わる感じが良かったです。これぞクルマと一体になった感じです。過度にシャープ過ぎず、微小舵から正確な反応で扱いやすいのです。

 これほどスポーツドライビングでしっかり走れるのに、乗り心地が良かったのは良い意味で予想を外された感じでした。基本的には硬いと分類されるレベルですが、嫌な振動が伝わって来ない感じで、路面の不整の角を丸めてうまく吸収してくれました。上下方向のサスペンションストロークも充分で普段乗りでも快適でした。

 これはボディ剛性の高さとタイヤ(前245/35ZR19(93Y)XL、後255/35ZR19(96Y)XLのミシュラン・パイロットスポーツ4S☆)のマッチングの良さもあるでしょう。

 コンパクトなサイズは日常使いにも便利だし、「M3」や「M4」と比べたら価格もリーズナブルだし、これをファーストカーとして使える立場になりたいと思ってしまいました。

※ ※ ※

しかし、そうなるともうひとつ上も気になるところです。

 M2クーペ(F87)の後継車、2代目「M2」はこのM240iクーペがベースになって登場してくるでしょう。それはM240iよりかなりスパルタンになると予想できます。

 そのときには後2輪駆動でMTというドライビングマシン仕様もラインナップに加わることを期待したいです。

BMW新型「M240i xDrive Coupe」のインテリア
BMW新型「M240i xDrive Coupe」のインテリア

●BMW M240i xDrive Coupe
BMW M240i xDrive クーペ
・車両価格(消費税込):758万円
・全長:4560mm
・全幅:1825mm
・全高:1405mm
・ホイールベース:2740mm
・車両重量:1710kg
・エンジン形式:直列6気筒DOHC+ターボ
・排気量:2997cc
・駆動方式:4WD
・最高出力:387ps/5800rpm
・最大トルク:500Nm/1800〜5000rpm
・燃料消費率(WLTC):10.9km/L
・サスペンション:(前)ストラット式、(後)マルチリンク式
・ブレーキ:(前)ベンチレーテッド・ディスク、(後)ベンチレーテッド・ディスク
・タイヤ:(前)225/40R19、(後)255/35R19

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こもだきよし
こもだきよし
モータージャーナリスト
日本自動車ジャーナリスト協会(AJAJ)会長(2016年〜) 1950年 神奈川県川崎市生まれ 自動車レース、タイヤテストドライバーの経験を経て、1984年から新型車にいち早く試乗して記事を書くフリーランスのモータージャーナリストになる。クルマが好きというより運転することが好きでこの仕事をしている。 世界一の難所と云われるドイツのニュルブルクリンクの北コース(ノルドシュライフェ)を1984年5月に初めて走ってから40年間通い、BMW M社主催のBMW ドライビングエクスペリエンスで、インストラクターとしてドイツ人インストラクターとともに日本人参加者向けにニュルの走り方を伝えている。

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