【クルマ×アソビ #9】ポルシェが東大先端研と若者向け「学びのプログラム」を実施! なぜ? リアルな体験を通じて夢の実現をサポートする「LEARN with Porsche」とは
リアルな体験を通じて情報を得ることの価値を知る
プログラム2日目、稚内からフェリーで礼文島へと渡った日に、彼らは丘の上から礼文の海と自然を眺め、浜に降りると海に向かって小石で水切り……という具合にのんびりとした時間を過ごしていました。

もちろんこれは、スケジュールに組み込まれている時間ですが、先生やスタッフがスケジュールや行動、グループ分けを具体的に指示することもありません。参加者の主体性に任せた行動を基本としています。
その後、3日間にわたって彼らが取り組んだのは、礼文島とお隣の利尻島を移動しながら島で働いている人と出会い、働かせてもらい、話を聞くという漠然としたテーマです。
例えば、礼文島では3つのグループに分かれ、農業や漁業を営むご家庭を訪ね、実際に作業を手伝います。短い時間とはいえ野菜の収穫や魚の漁などから戻った彼らの姿を見ると、小さなミッションとはいえ日常とは異なる経験による新たな発見と、「やり遂げた」という自信を得たように映りました。
また利尻島では、地元の子どもたちを交え、東大先端研で風力発電を中心とした研究をおこなう飯田誠特任准教授によるセミナー「ポルシェとエネルギー『利尻島は本土から石油や石炭を運んでこなくても風力、火力、太陽光で生活できていくんだろうか』」も開催。
高性能な電気自動車「タイカンGTS」と、ポルシェの原点ともいうべきリアエンジン/リアドライブ方式を採用した「911GT3」の体験試乗会では、参加者や子どもたちの笑顔が輝きました。
そんな期間中、印象的だったのは、中邑教授の参加者たちとの接し方でした。
団体での移動時や食事の時間、そしてミーティング時など、中邑教授と参加者が触れ合う時間は十分にありますが、教授はその日のテーマこそ提示するものの、手段や方法、誰とともに行動するかなど、具体的な指示は出しません。また、折に触れて感想や何を感じたかを聞いたり、意見を求めたりすることはあっても、ひと言で分かるような評価を下すことはありません。
それはなぜか? 中邑教授は参加者たちに向けて次のように話します。
「今回はいろんな人の話を聞き、漁師さんや農家さんの手伝いもした。それらがどのように結びつくのかを知るというのが今回のテーマ。これから君たちが勉強していくなかでいろいろとつながってくる。君たちの中で今すぐつながらないのは、ベースとなる知識がないからさ。
今回の旅の答えは何か? 試験と違って答えはない。君たちは優秀だけど、実はそうじゃない。自分たちの生活や、やっていることの側面や裏側を見ながら何かをおこなうというのは、とても意味のあることなんだ」
禅問答のような結びの言葉ではありますが、筆者にはピンとくるところがありました。
現代において、我々は疑問が生じればスマートフォンで調べ、簡単に解答を得ようとします。自ら現地に足を運び、自らの口で疑問を発し、耳で聞き、考えるという機会が減りつつあります。
その点、今回の「LEARN with Porsche」では、リアルな体験を通じて情報を得ることの価値を理解し、知ることへの欲求をかき立て、夢を育む“きっかけ”を提供します。参加者たちが今回の体験を生かせる日が来るのか、またその日がいつ訪れるのかは誰にも分かりません。だからこそ中邑教授は、プログラムごとに簡単に答えや評価を出さなかったのだろうと思います。
* * *
「5年後、10年後の彼らが楽しみだな」と思いつつ、参加者と別れた筆者ですが、最後にひとつ大きな疑問が残りました。それは、ポルシェジャパンはなぜ、東大先端研と若者を対象としたプロジェクトを立ち上げたのか? ということです。
page
VAGUEからのオススメ
ポータブル電源が都心で過ごす夜を変える──Jackeryがかなえる“オフグリッド”なスポーツ観戦【PR】