知れば知るほど「驚きの連続」 なぜ日産 新型「リーフ」は大胆に“キャラ変”した? “奇跡のパッケージング”を実現した日本仕様のスゴさとは
奇跡のパッケージングを実現した新型「リーフ」の驚きとは
フルモデルチェンジで量産BEV(電気自動車)としては世界初の“3代目”へと進化した日産「リーフ」。そんな新型は、知れば知るほど驚きにあふれています。

まずは航続距離。今回、発表されたのはロングレンジモデルの「B7」ですが、1回の充電で走れる航続距離はなんと最長700kmオーバー。700kmといえば、実走行で東京〜名古屋間を1往復できる距離。東京から北へと向かえば、青森のちょっと手前くらいまで到達できます。
あくまでカタログ記載のWLTPモードとはいえ、ついに量産BEVの「リーフ」でもこれほどのロングランをこなせるようになったのは大ニュースといえます。ちなみに先代は、ロングレンジモデルでも最長450kmでしたから、一気に250km以上も長く走れるようになったわけ。これは大進化といっていいでしょう。
航続距離が大幅に伸びた理由は、バッテリーの大容量化もありますが、開発スタッフによると「熱エネルギーの利用も含めて効率を徹底的に見直したことで、高効率で走れる範囲が拡大したのが大きい」とのこと。また「カタログ値との乖離も少なくなった」といいますから、大いに期待したいところです。
また新型「リーフ」は、「満充電状態でスタートし、途中、30分間の急速充電を3回おこなえば、高速道路での1000kmドライブもストレスなくおこなえる」といいます。思えば、初代は航続距離が短いだけでなく充電時間も遅かったので、1000kmドライブなんて夢のまた夢でした。「リーフ」もついにここまで進化しましたか!
しかし、そんな新型「リーフ」で筆者(工藤貴宏)が最も驚いたのは、キャラクターの変化です。
「リーフ」といえばこれまで、正統派の5ドアハッチバックでした。しかし新型はすっかりSUV化。しかもフツーのSUVではなく、リアウインドウを大きく寝かせたクーペSUV風のスタイルへと“キャラ変”したのですから、華麗なる転身といわずにはいられません。
機械である以上、航続距離といった性能面が進化するのは当然のことですが、モデルチェンジでキャラクターが変わるのは、非常に珍しいことです。
となると気になるのは、変身の背景。どうして新型「リーフ」は、クーペSUVのようなスタイルへと生まれ変わったのでしょう? そこには3つの理由がありました。
まず、タイヤをSUVのように大径化した目的は、タイヤのエアボリューム=空気の量を増やすこと。それはバッテリーの大型化などによる重量増に対応するためです。
また、SUVフォルムを採用した理由は、マーケットニーズの変化にマッチさせるため。現在、日本だけでなく世界各地で乗用車のスタンダードがSUVへとシフトしています。いい換えれば、より多くの人に選んでもらうにはSUVの方が有利、ということにほかなりません。そのため「リーフ」もハッチバックからSUVスタイルへとシフトしたわけです。
また、クーペSUVのようにリアウインドウを大きく寝かせた理由は、空気抵抗を減らすため。BEVが高速域で航続距離を伸ばすには、空気抵抗を低減させることが重要なポイントとなるのですが、新型「リーフ」はそれを忠実に実行したわけです。
ちなみに、同様の理由でフロア下のフラット化もスゴいことになっています。まるでレーシングカーみたいですよ。

これで新型「リーフ」にまつわる謎が解決したわけですが、驚きはほかにもあります。例えば全長。
実は新しい日本仕様の全長は4360mmと、先代に対して120mmも短くなっています。世の中、フルモデルチェンジでボディサイズが大きくなるのがいわば常識なのに、それに反して120mmも短くなったのです。
それでいて、室内は全く狭くなっていないといいますから、驚くしかありません。どんなマジックを使ったかというと、短くした部分はボンネットの先端部分=フロントオーバーハングに集中しているのです。ホイールベースは従来比10mmの短縮とほぼ変わっていません。つまり、超高効率なパッケージを採用しているのですね。
また、背の高さも新型「リーフ」で注目すべきポイントです。SUVフォルムであるにもかかわらず、全高は1550mm(“プロパイロット2.0”搭載車はアンテナが異なるので1565mmになりますが)。つまり見た目に反して、先代とほぼ同じ全高なのです。一見すると、そうは見えませんけどね。
何を隠そうこの全高は、海外仕様とは異なる日本仕様だけのもの。理由はもちろん、ミニバンやSUVには非対応の機械式立体駐車場に入庫できるようにするためです。
SUVフォルムになったけれど(“プロパイロット2.0”装着車を除けば)背の高さは先代と変わらず、ロールーフ車用の機械式立体駐車場にも入庫可能。また、全長が短くなって最小回転半径も10cm小さくなるなど扱いやすくなったけれど、室内の広さは先代と変わらず……。
このように新型「リーフ」のパッケージングは、本当によく考えられたものだと思います。“奇跡のパッケージ”と表現したいほどです。
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