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“遊び”に使える実用ワゴンなのにWRX STIより速いってホント!? 加速が衝撃的なスバル新型「トレイルシーカー」はまさに“EV版のアウトバック”

乗り味はおだやかなのに加速は「WRX STI」より強力

 その上で、新型「トレイルシーカー」は、まったりとしたドライブフィールも「アウトバック」から継承しています。

 スバル車の走りといえば、「WRX」など一部のスポーツモデルを除いてしなやかな味つけで、乗り心地も良好。長距離移動時にも疲れにくいのが特筆すべきポイントです。そんな個性は、もちろん「トレイルシーカー」にも受け継がれています。

 乗り心地に関しては、細かくいうと路面状況によって“サスペンションの動きの硬さ”を感じることもありますが、重量級のBEVとしてはまとまっている方だと思います。

 ハンドリングはツーリング性能を求めた仕立てで、キビキビ感のあるスポーティさよりもリラックスしてドライブできる安定志向を追求したもの。ただ単にサスペンションがしなやかというだけでなく、ロール感が自然で、接地感や旋回時の安定性もハイレベルです。こうした乗り味が不安のない運転感覚に直結し、疲れにくさとなって体感できるのです。

 それでいて、ドライバーの意思に素直に反応してくれるため、峠道などでも安心してドライブできます。こうした走り味は、まさに「アウトバック」ゆずりのDNAだと強く実感させられます。

 ただし、動力性能については、「アウトバック」から劇的に変わっています。なかでも特筆すべきは加速力。「トレイルシーカー」のそれはとにかくパワフルで豪快。アクセルペダルを踏みつけると、ビックリするくらいの加速を披露してくれます。“実用性能”に重きを置いて過剰さを感じることはなかった「アウトバック」とは対照的です。

スバル新型「トレイルシーカー」
スバル新型「トレイルシーカー」

「トレイルシーカー」が豪快な加速を披露してくれる理由は、なんといっても駆動用モーターがパワフルなこと。1.8リッターターボエンジンを搭載していたBT型「アウトバック」の最高出力は177psでしたが、前後にモーターを備える「トレイルシーカー」のAWDモデルが発生するシステム最高出力はなんと380ps。BT型「アウトバック」の実に2倍以上を誇ります。

 しかもこの数値、ベースとなった「ソルテラ」のAWDモデル(システム出力342ps)さえも上回るもの。停止状態から100km/hまで加速する際の所要時間はわずか4.5秒で、「ソルテラ」はもちろんのこと、かつて展開されていたハイパフォーマンスセダン「WRX STI」(最高出力308ps)の5.0秒よりも速いのです。スバルはとんでもないクルマをつくってしまいましたねぇ……。

 そうしたスペックを見ると「そんなにパワフルだと航続距離が短いのでは?」と思う人もいるかもしれません。でも、ご安心を。WLTC計測による1充電当たりの航続可能距離は、AWDモデルで627〜690km(タイヤサイズにより異なる)。システム最高出力224psのFWDモデルは、加速がひかえめになるのと引き換えに734kmまで伸びます。実走行でも500km程度は走れるとみていいでしょう。この数値は、BEVとしては長めです。つまり、BEVであってもロングツーリング性能をしっかり確保しているというわけです。そういった点も「アウトバック」ゆずりといえるかもしれません。

* * *

 事実、欧州向けの「トレイルシーカー」は、現地では馴染みのある「アウトバック」の名を継承し「E-アウトバック」として売られています。

 自宅に充電設備があり、BEVの所有も気にならない人で、レジャードライブを楽しんだり、ゆったりとロングツーリングに出かけたりする人には好相性。新型「トレイルシーカー」は“エンジンのない先進的な「アウトバック」”と考えれば、非常に興味深い存在だと思います。

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