GRはスポーツカーブランドじゃなかったの? なぜトヨタはハイブリッド車「アクア」のスポーティ仕様「GRスポーツ」を復活させた?
見た目以上に変わったのは走りの中身
トヨタ自動車のモータースポーツブランドであるGAZOO Racing(以下、GR)と聞くと、多くの人が思い浮かべるのは「GRヤリス」、「GR86」、「GRスープラ」といった本格スポーツモデルではないでしょうか? そんなGRの名を冠したコンパクトハイブリッドカー「アクア GRスポーツ」が登場しました。
実はこの「GRスポーツ」、2022年に2代目「アクア」へ設定された後、2025年のマイナーチェンジでいったん姿を消していたグレード。今回の一部改良に併せて“復活”を遂げたことになります。
エコカーの「アクア」にGR? そう感じた人も少なくないことでしょう。燃費性能や実用性を重視するイメージの強い「アクア」と、スポーツブランドであるGR。一見すると結びつきにくい組み合わせですが、今回の一部改良で手が加えられた部分を見ていくと、「GRスポーツ」が登場した理由が少しだけ見えてきます。
「アクア GRスポーツ」は、専用のフロントバンパーや17インチアルミホイール、スポーツシートなどを採用し、GRらしいスポーティなスタイルに仕上げられています。
しかし、今回の改良で注目したいのは、そうしたエクステリアの変更よりも走りに関わる部分です。
専用の床下ブレースやリヤバンパーリインフォースによってボディ剛性を高めているほか、専用のチューニングサスペンションを採用。さらに、電動パワーステアリングの制御も見直され、「POWER+」モードでのステアリングレスポンスを向上させています。

その一方、ハイブリッドシステムやエンジンの最高出力などパワートレインには変更がありません。つまり、GRが目指したのは「もっと速い『アクア』」ではなく、「もっと気持ちよく走れる『アクア』」だと読み取れます。
ここで整理しておきたいのが、GRモデルとGRスポーツの違いです。
「GRヤリス」や「GRスープラ」といったGRモデルは、パワートレインを含めてスポーツ性能を徹底的に磨き上げたモデルです。
それに対してGRスポーツは、エンジン性能を大幅に向上させるのではなく、ボディ剛性やサスペンション、ステアリングフィールなどをチューニングし、クルマを操る楽しさをアップさせることを目的としています。
実際、GRスポーツは、これまでも「プリウスPHV」や「ヤリスクロス」、初代「アクア」など、スポーツカーではないモデルに設定されてきました。それらに共通するのは、速さを競うことではなく、走りの質を磨き上げていることです。今回の「アクア GRスポーツ」も、その思想を受け継ぐモデルといえるでしょう。
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