「ベントレーを過小評価していた」ポルシェ出身のCEOが英国本社で告白! ブランド初のEV「トルカル」とV8モデルを併売する理由とは【The Interview】
ポルシェ出身のCEOと英国・クルーで再会
ベントレー本社工場を訪問した後は、再び「Mews」へ舞い戻ります。しばしのランチと休憩の後、いよいよおこなわれたのが、ベントレーのフランク-シュテフェン・ヴァリザー会長兼CEOへのインタビューです。
2024年に現職へ就いたヴァリザー氏は、この8月で57歳。元々はポルシェのエンジニアでした。経歴を振り返ると、「918スパイダー」のプロジェクトリーダーを務めた後、モータースポーツ部門の責任者へ。そして2019年には、「911」や「718」というスポーツカーラインの統括を担当するという、実に輝かしいものです。
「ポルシェ時代はよく顔を合わせましたよね。変わりはないですか?」
顔を合わせた途端、そう話しかけてきてくださいました。覚えてもらっていたことにすっかり感激し、そして恐縮。またもうれしい再会の場となったのでした。
その後、始まったインタビューで、まず多くの質問が出たのが電動化の話でした。なお、ベントレーは現在「Beyond 100+」戦略の下でBEV(電気自動車)の開発、既存モデルのPHEV(プラグインハイブリッドカー)化を推進中。2026年、いよいよブランド初のBEVが登場するのを皮切りに、今後10年間、毎年BEVもしくはPHEVの新型車を投入する計画です。一方で、顧客の需要に応じて内燃機関を含む複数の選択肢を残す姿勢も示しています。
「2026年9月23日、ベントレーは新型車を登場させます。『D-LUV』という社内呼称のこのモデルは、『ベンテイガ』より少し小さなBEVです」

先日明らかにされたとおり、世界初のラグジュアリー・アーバンSUVと謳われるこのモデルは「トルカル(TORCAL)」。アンダルシアの景勝地からその名を取ったこのモデルは、何かと置き換わるのではなく、ベントレー4番目の車種としてラインナップされます。
「一方で、私たちは多様な選択肢を持つことを重視しています。お客さまは自らが何を望んでいるのか、ご自身で決められます。BEVではなくV8エンジンを積む『ベンテイガ』を好む方もいらっしゃいますから、私たちはそのいずれも提供していきます」
このBEVについては、サウンドの話も飛び出しました。まだ情報は断片しか出ていませんが、発表によればBEVである「トルカル」には“ありきたりな電子音”ではなく、“リズムにフォーカスする”新しいサウンドが実装されるといわれています。ドラム、ビオラ、ベースなどの演奏から生まれ、ドライバーの意識を的確に反映し、クルマとの一体感を演出する……一体どんな響きが奏でられるのでしょうか。

「私たちはすべてのベントレーに“サウンド”があるべきだと決断しました。ドライブする際、音はとても大事な要素です。人工的かどうかという議論もありますが、最終的にはどれだけ没入できるかでしょう」
これまで多くのメーカーの多くのBEVが、さまざまなサウンドの実装を試みてきました。しかし率直にいって「これは!」というものは、ついぞ現れませんでした。結局、エンジンを模したサウンドにステップシフトで落ち着きそう……周囲はそんな状況ですが、果たしてベントレーはそこに風穴を開けることができるのか。楽しみです。
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