EVのような“低いノーズ”にエンジンが収まるの!? トヨタ「カローラコンセプト」の大胆デザインを実現するカギは新世代1.5リッターエンジンにあり?
3気筒から4気筒になって小型化!? 新エンジンは何が違うのか
トヨタによると、新世代1.5リッター自然吸気エンジンは、従来の1.5リッター直列3気筒エンジンと比べて体積と全高がそれぞれ10%低減するよう小型化を進めているといいます。
通常、同じ排気量であれば、3気筒の方が4気筒よりもエンジンの全長を短くしやすいという利点があります。にもかかわらず、トヨタが4気筒を採用する理由は、エンジン高を抑えるためです。
1.5リッター3気筒エンジンは、1気筒あたりの排気量が約500cc。これに対して4気筒は約375ccとなり、ひとつのシリンダーが受け持つ排気量が小さくなります。その分、ピストンが上下に動く距離である“ストローク”を短く設計しやすくなり、エンジン高を抑えられるというわけです。
これまでトヨタは、燃費性能を高めるべく、ストロークの長い“ロングストローク”設計を積極的に採用してきました。ストロークを長くすると燃焼効率を高めやすい反面、エンジン高を抑えるには不利になります。
新世代エンジンは、車両全体の空気抵抗や電動ユニットとの組み合わせまで考慮し、あえてストロークを短くする方向へと設計を転換するようです。
もちろん、3気筒から4気筒にすると、一般的にエンジン長が長くなりやすくなります。しかしトヨタは、エンジン全体の構造を見直すことで、体積の削減も目指しているといいます。
一方、1.5リッターのターボ仕様は、従来の2.5リッター自然吸気エンジンが担ってきた出力領域をカバーしながら、体積を20%、全高を15%低減する計画です。

自然吸気仕様とは比較対象が異なりますが、より小さなエンジンで必要な性能を確保するという開発方針は共通しています。
●低いボンネットは燃費にも貢献! 次期型「カローラ」に採用される可能性は?
エンジン高を低く抑えるメリットは、ボンネットフードの位置を下げられることだけにとどまりません。例えば、フロントまわりの形状を工夫することで空気抵抗を減らし、走行時のエネルギー消費を抑える効果も期待できます。
トヨタは2024年の新世代エンジン発表時、燃焼技術の改善に加え、エンジンの小型化による空気抵抗の低減などを組み合わせることで、セダンでは12%の燃費改善を見込めると説明しています。これは、エンジン単体の燃費改善率ではなく、車両全体での効果を含めた数値です。
また、新世代エンジンは、ハイブリッドシステムとの組み合わせも重視しています。発進や加速時の駆動力の一部をモーターに任せることができれば、エンジンがすべての走行領域を受け持つ必要はなくなります。エンジンを効率のいい領域で使いやすくなることも、電動化を前提として設計する利点です。
こうした技術は、「カローラコンセプト」が掲げる多様なパワートレインへの対応にもつながります。
実際の量産車では、衝突安全性や冷却性能、車体構造なども考慮する必要があるため、次期型「カローラ」がコンセプトカーのスタイリングのまま市販化されるとは限りません。それでも、トヨタの新世代エンジンは、従来とは異なるクルマづくりの方向性を示しています。
エンジンの大きさに合わせて車体を設計するのではなく、目指すデザインや空力性能を実現するために、エンジン自体の構造を変える……「カローラコンセプト」の低いノーズは、そうした技術革新を踏まえたデザインと見ることができそうです。
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