68馬力差でも“上下関係”はない!? フォルクスワーゲン「ゴルフGTI」と「ゴルフR」をサーキットで乗り比べ! 2台の高性能モデルが並び立つ理由とは
4WDとは思えない旋回性能! 「ゴルフR」が見せた異次元の走り
「R」に乗り換えると、景色はガラリと変わります。
今回試乗したのは、上級グレードの「ゴルフ R アドバンス」。フォルクスワーゲンのスペシャル部門であるVW R GmbHが手がけ、「テーラーメイドスーツをまとったアスリート」をコンセプトに掲げるプレミアムパフォーマンスモデルです。
専用チューニングにより、333ps/420Nmまで引き上げられたエンジンに、4輪駆動システム“4モーション”を組み合わせたコチラの車重は1520kg。「GTI」から乗り換えると、そのプラス90kgの重量はネガティブどころか、“ひとクラス上のプレミアムカーに乗っているような重厚な落ち着き”として感じられます。
回り込む複合コーナーへアプローチすると、「R」は「GTI」とは真逆ともいえる旋回アプローチを見せます。ターンイン初期の軽快さこそ「GTI」に一歩譲りますが、ノーズをクリッピングポイントへ向けた瞬間からは「R」の独壇場。
スロットルペダルを踏み込むと、リアアクスルの左右トルク配分を0:100まで可変させる“R-パフォーマンストルクベクタリング”が覚醒し、旋回中の外側後輪へ強力な駆動力をたたき込みます。すると、フロントが外へ逃げるのに対して耐えるどころか、リアが旋回軸の内側へとグイグイ巻き込むように曲がっていくのです。
横置きFFベースの4WDでありながら、アクセルオンできれいにイン側へ巻き込んでいく様は、かつて一時代を築いた三菱「ランサーエボリューション」が高度な電子制御で見せた“4輪駆動の魔法”を想起させます。
コーナーから立ち上がる際の姿勢はまるでFRスポーツのようで、アクセル操作ひとつで車体の向きをコントロールできる異次元のライントレース性を誇ります。
さらに、“プリロードターボチャージャー”によるラグ皆無の鋭いレスポンスや、開口面積71%の19インチ鍛造ホイール「Warmenau」による高い冷却効果と18インチブレーキシステムのフローティングローターがもたらす強靭な制動力も、「R」の走りを支える重要なピースです。

つまり、前輪の限界と対話する「GTI」に対し、「R」はトラクション不足などの物理的な課題をすべて飲み込み、極めてクレバーかつクールに圧倒的な速さを引き出せる、ハイテクなアルティメットGTなのです。
全天候型の“絶対的なスタビリティ”を持ちながら、ひとたびドライブモードを切り替えればスポーツカーを凌駕するほどの牙を剥く……内に秘めた圧倒的な余裕を持ったモデルだといえます。
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