SUV全盛の今だから逆に魅力的な“低重心感”! フォルクスワーゲン「パサート」のディーゼル×4WDは“ロングドライブがやたら快適”な理由とは
ディーゼル×4WD×電制ダンパーで“疲れ知らず”
今回の試乗車には伸び側/縮み側を独立制御できるショックアブソーバー“DCCプロ”が装着されていました。
そのフットワークは、進化した“MQB Evoアーキテクチャ”と相まって、VWのなめらかな操舵感はそのままに、クルマとの対話性が増した印象です。
そういう観点ではスポーティな印象ですが、ハンドリング特性に余計な演出はなく、ステアリングを切れば切っただけスーッと素直に曲がってくれるので、“究極のフツー”といった感じのハンドリングです。
快適性は、19インチのタイヤ&ホイールを履く「Rライン」ながら、偏平タイヤを感じさせない入力の優しさと吸収性の高さ、さらに、芯があるのに振動を上手に吸収するスポーティシートの座り心地も相まって、プレミアムブランドに片足を踏み込んだかのような乗り心地です。
ちなみに「インディビジュアル」モードでダンパーを最もやわらかい設定にすると、「君はエレガンスなの?」と思うくらいコンフォートな味つけにすることも可能です。
昨今、SUVはロールを上手にコントロールし、常用域では背の高さを感じさせない走りを見せますが、「パサート」に乗ると“基本素性のよさ”から来る、安定・安心のドライブフィールのよさを改めて実感。やはり“物理の法則”には逆らえないんでしょうね。
このパワートレインとシャシーの組み合わせにより、ドライビングは疲れ知らず&ストレス知らず。200km程度のルートであれば「ちょっとそこまで」の気分です。進化した運転支援機能を上手に活用すれば、どこまででも走っていけそうな感じです。

今回の試乗では200kmほどの距離を走行しましたが、燃費は簡易計測で高速道路が20km/L前後、一般道を含めたオーバーオールは17km/L前後でした。燃料タンクは66リットルなので、一度満タンにすれば1000km超えは楽勝でしょう。個人的には「宮崎からそのまま東京まで走らせてくれたらよかった」と思ったくらいです。
そろそろ結論にいきましょう。「パサート」はかつてのVW車で感じた「プレミアムに片足を踏み込んだ」印象を思い出させてくれる1台だと感じました。もちろん価格は若干アップしていますが、コスパは相当高いと思います。
そして改めて、ステーションワゴンの魅力を実感しました。その理由は何か? 素性のよさを活かした“走りのよさ”、全高の低さを活かしたスタイリッシュな“ルックス”、そして、見た目以上に優れた“実用性の高さ”のバランスでしょう。
細かい部分では気になるところも見受けられた「パサート」ですが、現在、ボルボ「V60」のリアルオーナーである筆者としては、買い替えの有力候補の1台になりそうです。
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このように、最新の「パサート」にすっかり好印象を抱いた筆者ですが、VWのディーゼルといえばどうしても避けてはとおれない話題があります。2015年に発覚した“ディーゼルゲート事件”です。
これは、北米の厳しい排ガス規制に対応するために不正な制御ソフトウェアを搭載していた……という違法行為です。その後、VWは不正を認めて公式に謝罪をおこなっていますが、それ以降、新たなコメントや明確なコミットメントはありません。BEVへのシフトを高らかにアピールすることで、この問題はウヤムヤになってしまっているように筆者は感じています。
確かに、この事件の対象となったエンジンは日本では未発売のユニット(北米向け)ですし、今回試乗した「パサート」を含め、日本向けのディーゼルはより厳しい規制をクリアしているのは分かっています。
しかし、VWの日本法人が「ディーゼルは重要なパワートレイン」と位置づける以上、この事件に対しては今後も「逃げない、ごまかさない」姿勢が必要だと思っています。そうすることで、日本市場でVWのディーゼル車の美点がしっかりと理解され、再び注目を集める存在になる……筆者はそう考えています。
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