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SUV全盛の今だから逆に魅力的な“低重心感”! フォルクスワーゲン「パサート」のディーゼル×4WDは“ロングドライブがやたら快適”な理由とは

ワゴン専用モデルとなった現行「パサート」の真価とは

「2025-2026日本カー・オブ・ザ・イヤー」はスバル「フォレスター」が受賞しましたが、輸入車の中で最高得点を獲得したモデルに与えられる「インポート・カー・オブ・ザ・イヤー」には、VW(フォルクスワーゲン)の「ID.Buzz」が選ばれました。

 日本では唯一無二のBEV(電気自動車)のフルサイズミニバン、「タイプ2」の現代的解釈である愛嬌あるデザインが評価されたことに異論はありませんが、個人的にSUVよりステーションワゴンを好む筆者(山本シンヤ)は密かに、このモデルを推していました。それが本記事で紹介するVW「パサート」です。

 初代は1973年に登場。累計台数は“ビートル”こと「タイプ1」を超える3400万台以上誇り、VWにとっては「ゴルフ」と並んで重要な基幹モデルです。しかし、日本市場では、常に「ゴルフ」の影に隠れた存在に。しかし、リアルユーザーの満足度はとても高く、いわば“隠れた逸品”のようなモデルといえます。

 現行モデルとなる9代目は、2024年末に日本で発売を開始。先代はセダンとワゴンが用意されていましたが、新型は時代を反映してかワゴンのみの設定となりました。

 一方、ボディ形状は集約されるもパワートレインは豊富で、48VのマイルドHEV(ハイブリッド)やPHEV(プラグインハイブリッド)といった電動車に加えて、ディーゼルエンジンもラインナップ。今回はVW関係者が「いいパワートレインなのに、なかなか日が当たらなくて……」という「パサート」のディーゼル仕様を九州は宮崎で試乗してきました。

フォルクスワーゲン「パサート TDI 4モーション Rライン」
フォルクスワーゲン「パサート TDI 4モーション Rライン」

 ちなみにディーゼル仕様の駆動方式は“4モーション”と呼ばれる4WDのみの設定で、グレードはカジュアルな「エレガンス」とスポーティな「Rライン」の2タイプが設定されていますが、今回の試乗車は「Rライン」の方でした。

 現行モデルのエクステリアはキープコンセプトながら、従来モデルに対してスポーティさときらびやかさがプラスされています。といっても“やりすぎ感”はなく、上品なたたずまいといえるでしょう。全長は5mに迫るのでパッと見、巨体感ありますが、全幅1850mmと最小回転半径5.5mによる取り回しのよさは健在です。

 インテリアは、進化したデジタルコックピットが採用されています。従来、評価がイマイチだったインフォテイメント系は“ディスカバー・プロ・マックス”に進化。とはいえ、ナビゲーションは相変わらず独特なロジックのため残念ながら短時間の試乗では使う気になれず(スマホをつないでGoogleマップを利用するのがオススメ)、さらにセンターディスプレイは大画面の上に手前にレイアウトされているので(タッチパネルの操作性を考慮)、圧迫感も強めです。

 シフトレバーはBEVの「ID.」シリーズと同じくステアリング脇にレイアウトされていてセンターコンソールまわりがスッキリしているものの、そのスペースを有効に活用できていないのはもったいない印象です。

 居住性は「パサート」の特筆すべきポイントで、特にリアシートは身長170cmの筆者がきちんとしたドライビングポジションをとっても、足元には「君はショーファーカーなのか!?」と思うくらいの余裕があります。

 ただし、フロントシートにはシートヒーター/ベンチレーションに加えてリラクゼーション機能まで用意されているのに、リアにはシートヒーターすら用意されないのは残念です。

 ラゲッジスペースの容量は従来モデルより140リットルも拡大。高さ以外は「ミニバンいらず」といっていいほどのスペースを誇ります。また、ラゲッジネットパーテーションやスライディングカバーなどを含めた使い勝手は、ステーションワゴンを作り続けているだけのことはあります。

 今回の試乗車には、“EA288 EVO”と呼ばれる2リッターのディーゼルターボエンジンを搭載。このユニットには“ツインドージング”という2系統のSCR(排気温度に応じて最適な場所から尿素を噴射)と低圧EGR(環流させる排ガスをターボチャージャーの下流から取り出す)を採用。スペックは最高出力193ps、最大トルク400Nmを発生します。ちなみにトランスミッションには湿式7速のデュアルクラッチ式トランスミッション“DSG”を組み合わせています。

 走らせてみると、ディーゼルのうま味……アクセル操作に対する応答性のよさはいわずもがなですが、低速トルクはディーゼルらしさを感じるものの“粘り”が足りないかな……という印象。

 この辺りは排ガス対応の影響もあると思いますが、その一方、ディーゼルらしからぬ軽やかな回転フィールと吹け上がりのよさは好印象でした。イメージ的には、マツダのディーゼルに近い、ちょいスポーティな特性です。欲をいえば、「Rライン」との組み合わせだともう少しパンチが欲しいと思いました。

“DSG”というトランスミッションにこだわり続けるVWですが、ディーゼルとの組み合わせでは発進や微速域においてATのようになめらか、元気に走らせるとその小気味よさが印象的でした。

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