最高出力はベース車と同じでも日産 新型「リーフNISMO」が“見た目だけ”ではない理由 空気抵抗を増やさずダウンフォースを高めた専用外装の真価
モーター出力は同じ! それでも走りが違う理由とは
日産自動車は2026年7月22日、BEV(電気自動車)「リーフ」の高性能モデルとして新型「リーフNISMO(ニスモ)」を発表しました。
日産「リーフ」は、2010年に初代モデルが登場したBEVで、グローバル累計販売台数は約70万台に到達。2026年1月には、新世代のBEV専用プラットフォームを採用した3代目が日本市場で発売されています。
その新型「リーフ」をベースに、NISMOがモータースポーツで培ってきた知見を組み合わせたのが、今回の「リーフNISMO」。日産のモータースポーツ部門であるNISMOがプロデュースする「NISMOロードカー」です。
商品コンセプトは“駿足のインテリジェント・スポーツクロスオーバー”。「NISMOロードカー」に共通する“より速く、気持ち良く、安心して走れるクルマ”という考え方に基づき、シャシーやモーター制御、空力性能などを専用に仕立てています。
ここで注目したいのが、「リーフNISMO」の最高出力と最大トルクです。
ラインナップは、バッテリー容量の異なる「リーフB5 NISMO」と「リーフB7 NISMO」、そして、専用スポーツシートを備えた「リーフB7 NISMO レカロ装着車」の3種類。「リーフB5 NISMO」は最高出力130kW、最大トルク345Nm、「リーフB7 NISMO」と「リーフB7 NISMO レカロ装着車」は最高出力160kW、最大トルク355Nmを発生します。
しかし、これらの数値は、それぞれのベースモデルとなる「リーフB5 G」と「リーフB7 G」から変わっていません。つまり新型「リーフNISMO」は、モーターの最高出力を高めることで速さを演出したモデルではないのです。では、何がベースモデルと異なっているのでしょうか?

まず手が加えられているのが、車体の動きを支えるシャシーです。
サスペンションには専用のスプリングとスタビライザーを採用。さらに、車体とサスペンションメンバーを結ぶゴム製のメンバーブッシュの一部も専用品とし、サスペンション全体の剛性を高めています。これにより、ドライバーがステアリングを切った際の反応がより俊敏になり、車体との一体感がアップしています。
ショックアブソーバーには、「エクストレイルNISMO」にも採用されているスイングバルブつきタイプを採用しています。ショックアブソーバー内に設けたスイングバルブが、わずかな車体の動きにも減衰力を発生。コーナリングを始めた際の車体の傾きを抑えながら、荒れた路面ではタイヤを路面へ追従させるといいます。しっかりとした操縦性を実現する一方、単に足まわりを硬くするのではなく、街乗りなどでの乗り心地にも配慮したチューニングが施されています。
タイヤには、グリップ力と操縦性に優れるミシュラン「パイロットスポーツ5」を採用。サイズは235/45R19で、軽量かつ高剛性なエンケイ製の19インチアルミホイールと組み合わせています。
実はこのホイールも、単なるドレスアップパーツになっていないのがNISMOならでは。“ENKEI MAT工法”によって軽さと剛性を両立しているほか、表面をフラットに近づけることで空気の流れを整え、大きく設けた開口部からブレーキ周辺の熱を排出する設計となっています。
モーター制御もNISMO専用です。ベースモデルに設定される「STANDARD」、「ECO」、「SPORT」、「PERSONAL」という4種のドライブモードのうち、「STANDARD」、「ECO」、「SPORT」を専用チューニングとしています。
なかでも「SPORT」モードは、モーター駆動ならではの俊敏な応答性と、力強く伸びていく加速感を引き出す「NISMO」モードとして設定されています。
さらに、BEVの「NISMOモデル」で初めて、ステアリング裏側につくパドルで回生ブレーキの強さを調整できる“回生ブレーキコントロールパドル”を採用しているのも見逃せません。
回生レベルは4段階。レベル1ではベースモデルよりも減速力を弱め、アクセルを戻した際に滑空するような走りを実現します。一方、レベル2から4までは、ベースモデルよりも減速力をアップ。コーナーへ進入する前にパドルで回生力を高めれば、ブレーキペダルだけに頼らず車速をコントロールできるため、アクセル操作と減速操作をシームレスにおこないやすくなります。
最高出力そのものではなく、アクセルを踏んだときの応答性や、ステアリングを切ったときの車体の反応、アクセルを戻したときの減速特性を磨くことで、「リーフNISMO」はドライバーの意思に対して素早く反応するクルマに仕上がっているのです。
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