“失敗”は悪いことじゃない!? 約60年前の“ポルシェ製トラクター”を中高生が整備! マニュアルのない現場で学んだ“答えを探す力”とは?【Behind the Product#45】
“逆ネジ”を切り直してしまった…失敗した後に問われたこと
もちろん、経験したことがないことに挑戦するだけに、大小問わず失敗もあります。今年はまさに、このプログラムの意義を象徴する出来事がありました。
ある高校生が農業機械のボルトを清掃する作業中に、“逆ネジ”であることに気づかず、ダイス(ネジ山の修正工具)を使ってネジ山を正ネジに切り直してしまったのです。
その後、池田さんは逆ネジの本数が足りないことに気づき、参加者にその事実を伝えました。加工してしまった高校生にとっては、過ちに気づき、大きなショックを受けた瞬間となったはず。また、失敗したことを黙っていることもできたでしょう。しかし、その高校生は自らが加工したことを正直に話し、謝りました。
この経験から、機械の構造上、逆ネジであることには理由がある、という気づきも得られたことでしょう。さらにいえば、技術的な失敗とは別の“大切な学び”もありました。それは、失敗しないことではなく、失敗したときにどう向き合うのか、ということです。
間違いを認めるには勇気が必要です。ましてや中高生にとって、自らの失敗を仲間や大人に伝えることは、決して容易なことではありません。それでも正直に話すことができたのは、失敗を責めるのではなく、そこから学ぶことを大切にする環境があったからではないでしょうか。この一連の出来事そのものが、参加者の成長を示しているように感じました。

ポルシェ製のトラクターを入口に農業や林業、農業機械を体験的に学び、さらに自動車や飛行機、宇宙工学など、参加者それぞれが関心を寄せる分野へ視野を広げられることが、このプログラムの魅力です。自動車だけに対象を限定せず、幅広い「ものづくり」に触れることで、子どもたちが自分の興味や得意分野を発見する機会にもなっていくはずです。
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