「AT全盛の時代」にまさか! “逆風のMT車”を一挙に3台も同時開発中!? スバルの新組織“スポーツ車両企画室”のねらいとは
効率最優先の時代にスバルがMTにこだわる理由とは
今回発表された3台の走りの方向性を支えるのは、364馬力を発生する“FA24”型エンジンを搭載したスバルの「スーパー耐久」参戦マシン「スバル ハイパフォーマンス X バージョンII」。
このマシンは、過酷なレースデータを元に3速〜6速のギヤを変更した上で、金属表面を効率的に強化する“Wショットピーニング処理”を施した結果、実証データでギヤ強度が22%も向上したといいます。また、過酷なレースとテストから得られた電子制御アシスト技術なども市販車にフィードバックされる見込みです。
シフトダウン時にエンジン回転数をミリ秒単位で完璧に自動同期させる“レブシンク(Rev Sync)”や、アクセルペダルを床まで全開で踏み込んだ状態のままクラッチを切ってもスムーズに変速できる“フラットシフト(Flat Shift)”、さらには、電子制御LSDと連動して4輪駆動のトルク配分をリア寄りに最適化する電子制御システムなどが、次世代の市販MT車には実装される見込みとなっています。
今回はあくまでコンセプト段階のアナウンスということもあり、具体的な価格などは提示されませんでしたが、3台は一部の愛好家に向けた限定のスペシャルモデルではなく、誰でも手に入れられるカタログモデル(市販車)としての登場が計画されているようです。
自動車業界は効率最優先のエコカーや電気自動車、あるいは自動化への移行が急速に進む中、クラッチペダルを持つMT車はどんどん姿を消していっています。そんな逆風の中でスバルが3台のMT車を同時開発しているという事実は、大きな驚きといえるでしょう。

この大胆なプロジェクトを支える技術的な支点は、スバルが「スーパー耐久」シリーズなどのレース現場を通じて磨き上げている、高度な“4輪車両運動制御技術”の進化にあります。
レースという極限領域において、エンジニアたちがワイワイ、ガヤガヤと意見を交わしながら「ドライバーが最も安心して全開で踏み切れる制御とは何か?」を突き詰めた結果、導き出されたのが今回の3台だといいます。
単にノスタルジーに浸るためのMT復活ではなく、最新の先進安全装備“アイサイト”とMTをハイレベルで協調させ、現代の厳しい安全基準をクリアした上で、乗り手の身体感覚とミリ秒単位でシンクロする—そんな新時代の操る楽しさを構築できる確信がスバル側にあるようです。
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部署の垣根をすべて取り払い、楽しいクルマを真面目につくるというスバルのブレないクルマづくりへの原点回帰。このモータースポーツ直系のピュアなパッションは、今後の国産スポーツカー市場に対する強烈なカンフル剤となりそうです。
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