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なぜレクサスは新型「ES」でセダンを“大胆に再定義”した? 電動化時代に導き出された“新しい高級セダン”の答えとは

全長5.1m超×全高1.55m! 新型「ES」はなぜここまで姿を変えた?

 レクサスは2026年6月11日、8代目となる新型「ES」を日本で発売しました。新型は従来モデルから大きく変身。レクサス自身が「新しい時代のセダンとして再定義することを目指した」という、新時代の幕開けを告げるモデルとなっています。なぜレクサスは、セダンをここまで大胆につくり変えたのでしょうか?

 新型「ES」をひと目見て気づくのは、従来型よりもプロポーションが堂々としていることです。従来モデル比で、全長はプラス165mmの5140mm、全幅は55mmワイドな1920mm、ホイールベースは80mm長い2950mmとなっています。さらに特徴的なのが全高で、HEV(ハイブリッド)の「ES350h」は1555mm、BEV(電気自動車)版の「ES350e」と「ES500e」が1560mmと、従来モデルより110~115mmも高くなっています。

 一般的に、セダンは低いルーフと伸びやかなボディによって美しさやスポーティさを表現してきました。それだけに、新型「ES」が全高を大きく拡大したことは、一見すると従来のセダン像からは離れたようにも映ります。

 しかし、レクサスのねらいは単純な“大型化”ではありません。BEVは床下へバッテリーを搭載しながら、室内空間を確保する必要があります。そこで新型「ES」は、そのパッケージングから必要となる全高をまず設定し、その上で「セダンが最も美しく見えるプロポーション」を追求したといいます。

 さらに、乗員の着座位置を高め、乗り降りのしやすさや見晴らしを向上。一方で、ボディ上部やサイドを大胆に絞り、低いノーズから後方へ流れるワンモーションのシルエットを採用することで、実際の全高を感じさせない低重心な姿をねらっています。タイヤ位置も1mm単位で調整したといいます。

レクサス新型「ES」
レクサス新型「ES」

 つまり新型「ES」は、低いことをセダンの美しさの絶対条件にはしていないわけです。先に機能や居住性を成立させ、それをどのように美しいセダンへ仕立てるか。デザインのために機能を制限するのではなく、機能そのものから新しいセダンの美しさをつくろうとした点に、大胆なプロポーション変更の意味があります。

●なぜ新型「ES」は後席の快適性を大幅に高めたのか?

 大型化の恩恵が最も分かりやすく現れているのがキャビンです。新型はホイールベースを80mm延長した上で、シートや内装部品を薄型化。開放感や見晴らしまで含め、前後席の乗員がゆったり過ごせる空間をつくっています。

 象徴的なのが、BEVの「ES350e」に新設定された「リアコンフォートパッケージ」です。後席にはリクライニング機構とオットマンを備え、助手席を最前部までスライドさせ、背もたれとヘッドレストを前方へ倒す機能も用意。さらに、後席シートヒーター、ベンチレーション、リフレッシュ機能などを採用し、後席で長時間過ごす場面の快適性を高めています。

 だからといって、新型「ES」はショーファーカーへと方向転換したわけではありません。レクサスは「リアコンフォートパッケージ」の設定と同時に、ドライバーとクルマが一体となる操縦性と、すべての乗員が快適に過ごせる乗り心地を高次元で両立することを目標に掲げています。

 そのため、新たに開発した“GA-K”プラットフォームを採用するとともに車体剛性を高め、リアには「ES」シリーズで初めてマルチリンク式サスペンションを採用するなど、走り味もブラッシュアップしています。

 つまり新型「ES」が再定義したのは、高級セダンにおける“主役”なのかもしれません。運転席か後席かのどちらかを優先するのではなく、誰がどの席に座っても質の高い移動時間を過ごせるよう、高級セダンの価値を組み直したのです。

NextなぜHEVとBEVをひとつの「ES」に落とし込んだのか?
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